最近、法人のお客様、一般のお客様問わずお問い合わせが増えてきているのが、
「ホウ酸製の薬剤」
について。
どんなお問合せなのかというと、
①ホウ酸での防蟻って効果ありますか?
②ホウ酸で予防工事するとほぼ半永久的に持つって聞いたんですけど...
③化学薬品よりもホウ酸の方が安全なんですよね?
などなど…
さてと、ホウ酸ねぇ…
ここ最近耳にするみたいな感じではありますが、実はもう50年以上前からアメリカの軍がキャンプ地の蟻害予防に使ってみて結果そんなに有用性が確認されずに人知れず一旦消えていった代物なんですけどね。
ホウ酸がまぁ厳密にいうとホウ酸塩が(この時点でホウ酸塩も立派な化学物質ですが 笑)シロアリに効くのか??と問われれば答えは
効く。
です。
で・す・が !
問題はその効き方にあるのです。
皆さんもご存じのホウ酸団子に代表されるようにホウ酸製の薬剤は「食毒剤」つまり、
「食べないと効かない薬剤」なのです!
勘の良い方はお気づきかもしれません、そうなんです!
建物の土台や、柱、梁材などにホウ酸製剤を塗布、噴霧、もしくは含侵させたとてですよ、それらの大事な部材が食べられて初めて効くということなんですよ!
これって予防って言えますかね?
一般にシロアリの予防薬剤は、
①食毒性能(ホウ酸団子のようなやつ)
②気化毒性能(蚊取り線香やエアゾールのようなやつ)
③経皮毒性能(接触毒 ゴキブリの待ち伏せ型薬剤のようなやつ)
この3つ揃って初めて「シロアリ防除剤」として認定されるのです!
誰が認定しているのかというと内閣府管轄の(公社)日本しろあり対策協会です。(たぶん皆さん知らないと思いますが (^^))
ホウ酸製剤は食べりゃシロアリにも効きますけども、特にこの③番目の性能がないことが大きな問題なのです。
よってホウ酸製剤は(公社)日本しろあり対策協会の認定は取れていないのです。
じゃあダメなの?クラシオは使わないの?
と問われると、新築防蟻、もっと言うと新築の木部処理(防腐材として)として他の土壌処理剤と組み合わせて使うことはあります。
つまりホウ酸製剤の別の側面、シロアリの予防剤としてではなく、防腐性能を期待して使うということですね。
※画像は築12年目で替えになってしまったアパートのシロアリの被害の様子
ちょっと長くなりましたのでシロアリ予防工事の内容と認定薬剤の安全性の話についてはまた次回。